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北海道広告業協会の活動や北海道の広告に関する情報を発信します。
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北広協ニュース

北広協ニュース

2024.02.20北広協ニュース226号
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「リメンバーザタイム」



2024年がやってきた。
コロナの時代に突入したのが2020 年1 月下旬頃だったので
早いものでもう4 年が経ちました。
私は昨年そのコロナ禍が原因で悩まされていた現象があります。
 それは少し前のことを思い出そうとするとコロナ禍前年の2019 年のことを思い浮かべてしまい、まるで2020 年の1 月より続く長過ぎる冬眠から目覚めてみるとそこは2023 年の初夏だったというようなさしずめタイムリープ的な感覚です。
ググっても適当な答えにはたどり着かず、もやもやとしたまま秋になった頃、某ネットニュースで海外の女性向けの雑誌から和訳で転載された記事を発見し、私は深呼吸の後深くうなずき、このうまく説明できない現象に名前があったこと、そしてどうやら世界中にその感覚に悩まされている人々がいることを知りました。
その現象の名前は「パンデミックスキップ」です。
 私達は生まれて初めて自粛の日々を過ごしました。
日々単位から年間単位における生活ルーティーンの一時停止を余儀なくされました。
未知のウイルスに混乱する中で、停止の号令は緊急事態宣言でかかったとして再開の号令はあったのでしょうか?
昨年3 月のマスク自由化、そして5 月の5 類移行がそれに該当するのかもしれないという疑問を抱きつつも徐々に社会の動きが歩みを進め始めました。
私もgo to トラベルを利用して東京へ旅行に出かけたり、GW には大阪の繁華街をうろうろしたりなどして、なんだか今までにないような開放感のあるうきうきとした春を過ごしていました。
そして、賑わいの後にやってくるのはきまって静けさです。無音になった頭の中で考え始めたのは「去年の今頃どうしてた?一昨年は何してたっけ?」という問いかけでした。
 去年までの自分と比較しようとしてもあまり象徴的な出来事がないどころか、2019 年のことばかり想い出してしまい間がすっぽり空いてしまっているかのような混乱が発生していたのです。年齢も過ぎた時間の分だけ重ねているはずなのにまるでそんな気がしない。
まだ私だけ2020 年に取り残されているかのよう。
昔好きだった場所でまた親しみのあるルーティーンを取り戻そうにも街の様子も様変わりしてしまっており、4 プラ、TSUTAYA 、PASEO 、ESTA 、お気に入りのカフェやヘアサロンなど気付けばもうなくなってしまっていて喪失感が募るばかり。
長蛇の列をなしていたPCR 検査センターもとっくに役目を終えてあの景色が幻だったかのように思えます。
 海外サイトによるとパンデミックスキップの乗り越え方には諸説あるようですが、私はまたよく会えるようになった古い友人にこの現象の話をして、自粛期間中はどう過ごしていたかを聞いてみることにしました。
反応は「何も変わらない日々だった」「パンデミックスキップにはなっていない」というものでしたが、私達がそれぞれじっと過ごしてきた日々を話題にすることで空白の時間がほんの少しだけ埋まったかのような感覚を覚えました。
喪失感や寂しさや過ぎて行った時間への焦りの感情を乗り越えた先には何があるのかまだわかりません。
でも、過去を懐かしんだり自分の足跡を確かめたりすることは現在に焦点を当てるために必要な作業です。
 一時停止した時間から現在とのギャップを完全に埋めることはおそらく不可能で、今はまだサブスクで懐かしい曲を聞きまくってしまうけれど、新しくならざるを得なかった色々を気が済むまでやってみよう。
そしてまた何か見つけたら古い友人や誰かに話してみよう。
2024年を迎えて今、そう思っています。

 株式会社弘報案内広告社

業務部 媒体課

桑折珠実



周年事業開催報告
HAAA広告のミライ会議が終了しました。



昨年から企画事業委員会を立ち上げて進めてきた40周年事業が2月20日、札幌グランドホテル

グランドホールにて200名を超える参加者をお迎えして杯を片手に和やかに開催されました。

進行はオクラホマの河野さんと北海道博報堂の中久保さんの絶妙なコンビネーションで、会員社から

頂いたアンケートの結果を元に広告の未来図を予想しながら爆笑を交えて進められました。

事業に携わって頂いたスタッフの皆様、お疲れさまでした!

第41回通常総会



令和6年1月31日に開催された第41回通常総会にて下記議案が
全て可決承認されました事をご報告申し上げます。
また、引き続き4年振りに新年懇親会も開催されました。
引き続き当協会の活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 

敬具




◎2023年度事業報告並びに収支決算報告承認の件

◎2024年度事業計画並びに収支予算案承認の件    

◎会長退任に伴う理事選任承認の件                           

【新会長】                                                                               

 木村 平 氏(株)電通北海道代表取締役社長執行役員



以上

『明日へのベクトル(連載113)』
メッセージは、どんどん会話に近づいていく。
マーケティングプランナー 臼井 栄三



20世紀後半は、広告文化が鮮やかに花開いた時代だ。名コピーと呼ばれるキャッチフレーズも次々と現れた。思いつくまま挙げてみよう。

「おいしい生活。」「くうねるあそぶ。」「その先の日本へ。」「なにも足さない。なにも引かない。」「そうだ 京都、行こう。」・・・

北海道のコピーなら「試される大地。」を思い浮かべる人も多いだろう。心に残る名コピーは、人によってさまざまだ。広告はその人が生きてきた時代や社会を、くっきりと映している。

さて、上に挙げたコピーだが、すべて末尾に句点がついている。1970年代頃から、キャッチフレーズの末尾を「。」で終わらせるのが目立つようになった。僕がコピーを創っていたときも、句点を当たり前のようにつけていた。「。」がないと、コピーに締まりがない気がして、とにかく句点をつけることにはこだわった。

ところが今、若者がコミュニケーションで「。」を嫌っているという。主にチャットやLINEなどのSNSでのやり取りの話だ。「了解です。」「連絡ください。」などと句点をつけると、若者はそれを威圧的に感じるという。「マルハラスメント」などという言葉もささやかれている。どうも「。」の雲行きがあやしい。

僕も学生に聞いてみた。たしかに「怖い感じがする」「拒絶されている気がする」と言う学生もいた。一人の男子学生の「マルを打つ間に送信していますよ」の言葉が印象的だった。

メッセージを限りなく短くして、リアルタイムでやり取りする若者たち。そこに、句点の入る余地はないのかもしれない。逆にマルが入ると、それに特別な意味を感じてしまうのだろう。

だけど、これはSNS上の話だ。メッセージを会話と考えればいいのではないだろうか。若者たちだって、レポートにはちゃんと「。」をつけている。あまり目くじらを立てなくてもいいと思うのだが。



マーケティングプランナー

臼井 栄三


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