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北広協ニュース

2020.04.24北広協ニュース201号

『明日へのベクトル』
いまだからできるチャレンジは、ないだろうか。
マーケティングプランナー 臼井 栄三



「自粛疲れ」「コロナうつ」などという言葉が聞かれるほど、
新型コロナウイルスの感染拡大は人びとの日常を大きく変えてしまった。
緊急事態宣言の対象地域が全都道府県に拡大され、収束の気配は一向に見られない。
暮らしにも、仕事にも、黄色信号いや赤信号が点滅している。人びとのストレスと不安は深まるばかりだ。
しかし、ただ立ち止まってはいられない。
私たち広告人はコミュニケーションの力で、暮らしとビジネスに活力を生み出す方法を探らなければならない。
ウイルス感染につながるような人と人との直接的接触を避けつつ、私たちの周りから生活者と企業、
そして地域を後押ししていくことが求められている。
すでに各分野でさまざまなチャレンジが実行されている。
僕が感動したのは動画「《新日本フィル》テレワークでパプリカやってみた!」だ。
新日本フィルハーモニー交響楽団の有志60人以上が、それぞれの自宅などで演奏を自撮りし、編集してオーケストラに仕上げている。
演奏家たちは仕事がなくなり、現在も厳しい状況に置かれているはず。
それでも明るさを求めて、人びとの希望の素になるような音楽を届けようとしている。
私たち広告人が、今だからできることはないだろうか。
アイディアが浮かんだら、迷わず実行してみることだ。
トライ&エラーの中から、次の財産になるものがきっと出てくる。
ニュートンが「万有引力の法則」を着想したのは、ペストが世界的に大流行した時期だった。
大学は閉鎖され、ニュートンは故郷の田舎に退避した。故郷で、庭の木からリンゴが落ちるのを見て、
あの「万有引力の法則」がひらめいたという。
逆境をチャンスに変えよう。これまでの繰り返しはもう通用しない。
厳しい時ならではの、広告人による創意と挑戦が待たれている。

マーケティングプランナー  臼井 栄三


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