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北広協ニュース

2021.04.01北広協ニュース208号

『明日へのベクトル』
現状に縛られない発想を。
マーケティングプランナー 臼井 栄三



ある企業の経営者(S氏としておく)から、ときどき相談を受ける。最近では組織改革やDXの推進、新事業開発などの話が多い。
多くの経営者がそうであるように、S氏も自社の現状を見つめ、分析しながら、それを改善していくことで次の時代に対応しようとしている。S氏の場合はこれまでの実績や成功体験が、意思決定に大きな影響を与えているようだ。その思考のしかたが、僕に「S氏の会社は今後生き残っていけるのだろうか?」と疑問を抱かせた。
過去の成功体験や実績、データなどに基づき、現状を改善していくことで事態の打開を図るやり方は、いまの時代、はたして本当に有効だろうか。コロナ禍やDX、ESG重視、企業環境の激変など、私たちは極めて大きな環境変化の荒波の中にいる。現代のように先が不透明なときに、現状を起点としてその延長線上で次の時代を捉えることは大きな誤りをおかしかねない。
現状分析を積み重ねて、そこから次のステップに向かうやり方をフォアキャストと呼ぶ。フォアキャストの思考では、思い切った革新的な事業も生まれにくいし、イノベーションも起こりにくい。
これに対して、バックキャストの思考法は将来の目標となる状態を想定し、そこから現在に立ち戻って「やるべきこと」を考える。経営環境が不透明で変化が著しい時代には、理想とする将来像をまずはっきり描くことが大切だ。それを描き切れれば、向かっていくべき目標が明確になり、創造的に取り組めることになる。
過去や現在からではなく、望ましい未来から発想することで新しいアプローチが生まれる。これまでのやり方や向き合い方では真の解決策が見つからないことも多くなっている。現状に縛られることなく、未来からの発想法であるバックキャストを取り入れることで、課題を解決していってほしい。

マーケティングプランナー

臼井 栄三

『広告料金表2021年度版』のご案内



ご好評を頂いています広告料金表2021年度版が完成いたしましたので販売を開始いたします。
広告人の必携ツールとしてぜひ「北海道の広告料金表」をお役立てください。
購入は下記のFAX申込書であらかじめお申込みの上、協会事務局にてお引取りください。
部数限定につきお申し込みはお早めにお願いいたします。
※今年から巻末に年齢早見表を掲載いたしました。

広告料金表の概要
〈仕様〉 ポケットタイプ/82ページ/15.5cm ☓ 10cm
〈発行〉(一社) 北海道広告業協会
〈価格〉会員価格 400円(税込み)※一般価格 500円

販売方法
お申込書でご予約の上事務局にて現金引換でお渡しいたします。
〈事務局〉
北海道広告業協会 事務局 札幌市中央区大通西5-11-1電通恒産ビル 5F
TEL:011-221-2634
FAX:011-210-6407

お問い合わせ先
事務局 藤原
TEL:011-221-2634
MAIL:haaa@haaa.or.jp


お申込書(PDF)はこちら
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株式会社 北海道博報堂
統合プラニング局 クリエイティブ・プロモーション部
高橋 清伽さん



はじめまして。北海道博報堂の高橋と申します。
 最近やけに爪が早く伸びるような気がして調べてみると、
爪の伸びるスピードは20代でピークに達する、と書いてありました。
 気のせいではなかった。24歳、入社3年目の発見です。
 ところで、夜に爪を切るとなんとも言えず後ろめたい気持ちになります。
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という言い伝えをご存知でしょうか。
 このゆえんについても調べてみたのですが、
 日本書紀や戦国時代に流行った噂話、儒教の教えなど、諸説あるようでした。
 言い伝えといえば他にも、「ため息をつくと幸せが逃げる」「雛人形を仕舞い忘れると婚期が遅れる」「火遊びすると寝小便をする」など、
 スケールの大小もジャンルも実に様々なものが今も親から子へと受け継がれています。
調べてはいないものの、たぶんこれらも諸説あるのだと思います。
 と、ここまで考えてから思いついたのですが、言い伝えって広告に似ています。
ただ「ため息をつくとカンジ悪いよ」とか「ズボラなやつはモテない」とか「火遊びするな」と言えば済むところを、
 あえてわざわざ「幸せが逃げる」とか「婚期が遅れる」とか「寝小便」とまで言ってのける。
なんとしても相手に忠告を響かせたい、という伝える側の工夫が感じられます。
まるで、商品の良さを伝えるためにあの手この手で広告をつくる工夫のようです。
 爪の言い伝えも、電気のない時代にどこかの熱心な親が、暗闇で爪を切ろうとするわが子の不注意を心配して必死に編み出したコピーと言えるかもしれません。
そう思うと、現代にまで届いている表現力の強さに畏敬の念を抱かずにはいられません。
 数百年後の暮らしに当たり前に浸透している強い広告が作れるよう、
私も愛と情熱をもってあの手この手を使い続けていこうと思います。
今のところはツメが甘いと先輩に指導されてばかりですが。



株式会社 北海道博報堂
統合プラニング局
クリエイティブ・プロモーション部
高橋 清伽


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