『明日へのベクトル』 地域の魅力づくりに、力を発揮したい。 マーケティングプランナー 臼井 栄三


20年ぶりとなる紙幣刷新が話題になっている。実際には2024年(令和6年)に発行される予定だが、新紙幣の肖像画となる3人の出身地や関連施設ではすでに大きな盛り上がりを見せている。
この度の新紙幣発行の発表に、「あれ?」と感じた人はいなかっただろうか。わが国で現在流通している紙幣は4種類で、一つ足りないのでは?と、あなたは思わなかっただろうか。そう、2千円札が刷新から抜け落ちている。
もっとも、2千円札は国内の流通量が紙幣全体の1%以下で、財布の中にそれが入っていない人が大半だろう。ここ2、3年で2千円札を見ていないという人もいるかもしれない。このまま2千円札は消え去る運命なのだろうか。あの独特のデザインが好きな僕は、ちょっと寂しい気持ちになってしまう。
2千円札が日常生活のなかで使われている地域がある。沖縄県だ。2千円札は2000年(平成12年)に、沖縄で開催されたサミット(第26回主要国首脳会議)を記念して発行された。表面には観光名所である首里城の守礼門が描かれ、沖縄県民はとくに親しみを感じているのだろう。地元の企業や商店などが集まって、2千円札の流通促進協議会が設けられたこともある。銀行では「2千円札優先」のボタンがついたATMもある。地域の意気込みと郷土愛が伝わってくる。
日本中、どこへ行っても同じような街の景色と人びとの生活ではつまらない。観光が日本の主要産業になっていく今、地域の個性と独自の文化が国内外からの人たちを惹きつける。東京に「右へ倣え」するのでは、いつまでたっても地域の魅力は生まれない。
ここ北海道で、私たち広告人はどれだけ地域の個性を創りあげることに力を発揮しているだろう?広告情報だけでなく、私たちの知恵と行動力をもっと地域の魅力づくりに注ぐときではないだろうか。北海道のいろんな地域が、あなたのアイディアと汗を待っている。

マーケティングプランナー
臼井 栄三