『明日へのベクトル』 広告からの明るい灯が求められている。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
札幌の中心部に4丁目プラザがオープンしたのは1971年9月3日。それから51年目の2022年1月末に4プラは閉店する。開業以来、ここは常に若者文化とファッションの先駆者的存在だった。季節ごとに展開される広告も、ここならではのメッセージを印象深く鮮烈に発信してきた。
4プラの半世紀を振り返るポスター展が、いま開催中だ。(1月30日まで。)「はっぴいえんど」とタイトルがつけられたポスター展は、時代の変遷を鮮やかに伝えている。開業時のコピーは「札幌にファッション革命が起きる」。その宣言どおり、札幌のファッションはこの50年間でめざましく進化した。その進化に、4プラは強く影響を与え続けてきた。
ポスター展を見てあらためて感じるのは、広告は文化や情報の発信源であることだ。音こそ出さないけれど、例えばポスターは胸に響くコピーや写真、イラスト、斬新なデザインなどが組み合わされ、アートとして私たちに迫ってくる。これまでも多くの広告は人びとの感性やものの見方をインスパイアし、「いま」という時代を呼吸しながら人びとを次の時代へと導いてきた。
メディアが多様化し、広告環境も激しく変化しているけれど、時代の道標としての広告の役割は変わらない。広告人は、人びとに新しいサムシングを届けることをいつも心がけてほしい。サムシングは次代の息吹とも言えるし、明日への波とも呼べるだろう。そして、人びとの心に共鳴という波紋を広げていってほしい。
この2年間、コロナ禍で生活者の価値観もライフスタイルも大きく変容した。次の時代がまだ見えない今だからこそ、広告からの明るい灯が求められている。
マーケティングプランナー
臼井 栄三