『明日へのベクトル』 私たちの突破力が試されている。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
水平思考を表す有名なクイズに、こんな問題がある。「あるビルで、エレベーターがなかなか来ないという苦情が多発していた。しかしエレベーターのスピードを速くすることはできないし、エレベーターを増設するのも無理。どうすればクレームを減らせるか?」
答は「各フロアのエレベーターホールの壁に、全身が映る鏡を取り付ける」である。利用者の苦情の本質の大部分は、エレベーターが来るまでが遅いことよりも、むしろ待っている時間が手持ち無沙汰なことにある。鏡で服装や髪をチェックしているうちに、エレベーターはすぐにやって来る。
水平思考(ラテラル・シンキング)のアプローチは、まず前提や先入観を疑う。解決のために、どうすれば問題の違う見方ができるかを多角的に考える。普段の私たちは、無意識のうちにものの見方を規定してしまっている。固定観念や先入観といったものが、私たちの頭の働きを狭くすぼめている。新しい発想を生み出すためには、既存の論理や垂直的なものの考え方から脱却しなければならない。
なかなか収束しないコロナ感染、ロシアのウクライナ侵攻が引き起こしたエネルギー危機、急激な円安による物価高など、不安や心配が尽きない時代だ。北海道の経済も、いまひとつ元気がない。
問題が山積みだが、打開策は必ずあるはずだ。各分野で現状を突破する私たちの力が試されている。
広告界はこれまで、豊かなアイディアと実行力で新しい時代を切り拓いてきた。広告は、人々の希望や活力を生み出すエネルギーになってきた。さまざまな視点から人々の心の琴線にアプローチし、閉塞感を打ち破ってきた。いまこそ、広告に携わる私たちの突破力が求められている気がしてならない。
マーケティングプランナー
臼井 栄三