『明日へのベクトル』 顧客の真のニーズを見きわめたい。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
「モノを所有することから利用することに、人びとの価値観は変化している」とは、よく言われることばだ。
ここにきて、その流れが加速しているようだ。製品ごとに、あるいはサービスごとにお金を払うのではなく、
それを一定期間利用できる権利にお金を払うサブスクリプション方式のビジネスが急速に広がっている。
このサブスクリプション(略してサブスク)、元々は雑誌などの定期購読を意味する英語だ。
しかし近年では、定期課金型のサービスを指して遣う人のほうがはるかに多い。
サブスクの代表的なものはNetflix(ネットフリックス)やSpotify(スポティファイ)だろう。
前者は月額864円からの定額で、映画やドラマ、アニメなどがインターネット接続デバイスで見放題。
後者も月980円で4,000万曲以上の音楽が聴き放題だ。
このようにサブスクはまずサービス分野で普及したが、近年目立つのはモノへの広がりだ。
たとえばLaxus(ラクサス)では月7,344円でさまざまなブランドバッグが借り放題で、女性に人気だ。
会員は30万人を超えるという。他にも新車や洋服、家電、化粧品、家具、食品にまでサブスクは広がり、
ちょっとしたブームになっている。
サブスクで重要なのは、どれだけ客(会員)にとって利用価値の高い情報と
商品(orサービス)を届け続けることができるかだろう。会員一人一人の利用データを活かしきれるかの
勝負になってくる。会員が次に好むであろう商品(orサービス)を提案し続けなければ、客は離れていく。
客を飽きさせないで、惹きつけ続けるワン・トゥ・ワン・マーケティングの力が試されている。
実は、顧客は自分自身の本当のニーズを自分でもよく知らないことが多い。
消費者は具体的に商品(orサービス)を提案されて初めて、それを自分が求めていたことを知る。
いつの時代でも、顧客の真のニーズを見きわめるアンテナの感度が試されている。
マーケティングプランナー
臼井 栄三
臼井 栄三