『明日へのベクトル(連載120)』 「成功しなければ・・・」という呪縛からの解放。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
キャンペーンの実施準備に取り掛かっている。一方で企画案をまとめなければならない。さらに競合プレゼンも控えている――。
広告の仕事では、業務が重なることも多い。自分がもう一人ほしい・・・と思ったこともあるのではないだろうか。
懸命に頑張ったのに、結果がついてこない場合もある。キャンペーンでは反応がイマイチだった。充分に練ったはずの企画案はダメ出しを食らった。競合プレゼンでは負けてしまった――。
結果が伴わないことが続くと、自信がぐらつくこともある。考え込んでしまう人もいるだろう。メンタルにくる場合だってある。
そんなときは、原点から考え直してみよう。これはビジネスだ。ビジネスの相手はあなたとは違う人間だ。あなたの考え方が、そのまま通ると思うことの方がおかしいのかもしれない。
「物事は自分の都合のいいようには絶対にならない」「上手くいくことなんて、世の中にはほとんどない」・・・仕事への構え方を、そう考えて取り組む人もいる。経営学者の楠木建氏だ。彼はこの仕事の哲学を「絶対悲観主義」と呼んでいる。
絶対悲観主義の特徴は、成功しなければならないという呪縛から自身を解き放てることだ。そのため、のびのびと仕事に向かうことができる。仮に結果が思わしくなくても、受けるショックは小さいし、へこたれずに次の仕事に切り替えることができる。
絶対悲観主義なんて、会社では絶対に教えてくれないだろう。仕事は上手くいかなければ・・・という大前提で進むことが多い。一方で、上手くことが運ばないときへの抵抗力を持つことも欠かせない。
参考までに、楠木建氏の専攻は競争戦略である。絶対悲観主義はあなたが取り組んでいる仕事を弱くすることはなさそうだ。
マーケティングプランナー
臼井 栄三