『明日へのベクトル(連載122)』 地域から、元気の素を生み出せないだろうか。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
北海道の人口減少が止まらない。8月6日に総務省が発表した今年1月1日時点の北海道の人口は504万4825人(住民基本台帳に基づく人口動態調査)だ。前年に比べて4万9158人減である。都道府県別の人口減少数は、全国で最も多い。このままでは500万人割れも時間の問題だろう。
道内で、最盛期から驚くほどの減り方を示している市町村がある。たとえば夕張市は、1960年のピーク時には11万6900人余りが住んでいた。それが最近の人口は、約5900人である。市の人口は往時の5%になってしまった。しかも高齢化率は50%を超えている。
夕張市の現状を、身近な町内会を例えに表現してみよう。あなたが入っている町内会ではかつて80人の会員がいたのだが、今はあなたを含めてたった4人になってしまった。しかも、そのうちの2人は高齢者である――。このような状況で地域社会として機能できるのか、大きな壁に突き当たっていると言えるだろう。
見方を変えれば、夕張市のようなマチは、少子高齢化と過疎化が進むわが国の地域が直面する課題の最も進んだ状態を示している。
このような地域を元気づけるには、どうしたらいいのだろうか。広告人が中心になって各界の知見を集め、活性化を図っていくプロジェクトが立ち上がってもいいと思う。さまざまな視点からの知恵と実行力が化学反応を起こして、強力なエネルギーが地域から湧き上がってくるかもしれない。
全国に先駆けた取り組みなら、連携を惜しまない企業が現れることも考えられる。現代はクラウドファンディングなど、資金の調達方法も多様化している。アイディアと行動力が求められる。
わが国の多くの地域が直面する課題に、北海道から解決を図っていく。広告人のチャレンジ精神と実行力がフルに発揮されてほしい。
マーケティングプランナー
臼井 栄三