『明日へのベクトル(連載125)』 元気を取り戻すための「勇気づけ」。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
会社で毎日働いていると、調子の悪さや精神的な疲れを感じるときがある。それが一過性にとどまらず、中には疲れ切ってしまう人もいる。身近な人が精神的に参ってしまったときに、上司や周りの人はどんなことに気をつければいいのだろう。
現代社会に広く受け入れられているのが、アルフレッド・アドラー(1870~1937)が打ち立てた「アドラー心理学」である。ビジネス界でも広く活用されているので、ほんの一部を紹介しておこう。
疲れ果てた人に元気を取り戻してもらうための勇気づけとして、アドラーはいくつかの方法を挙げている。
まず、周りの人はダメ出しではなく、「〇〇が良かった」などと「ヨイ出し」をすることだ。ダメ出しは否定することで、相手の積極的な姿勢さえも打ち消してしまう。それよりも相手の考え方の良い面を見つけ、前向きに行動できるようサポートすることを心がけたい。
そのためには結果よりもプロセスを重視し、相手の努力を認めることが勇気づけにつながるだろう。
二つ目に、失敗はチャレンジの結果であり、次につながるものと捉えることだ。「失敗は成功の元」という言葉もある。失敗は次の成功のためのステップであり、その人を大きく成長させると考えよう。
最後は、相手の良い点やプラスの要素を見つけ、それをしっかり伝えることだ。加点主義で相手に向き合えば、その人がさらに長所を発揮していく勇気づけになる。そして相手がしてくれたことには、はっきりと感謝の気持ちを伝えることである。
アドラーは自分が究めた心理学が、広く社会に活用されることを願った。複雑化する現代では、一人一人の力が十分に発揮され、互いに協力し合える人間関係がますます大切になる。アドラーが提唱する「勇気づけ」は、仕事面でも大きなヒントになるはずだ。
マーケティングプランナー
臼井 栄三