北広協ニュース
『明日へのベクトル(連載109)』
消費の「その先」を見つめたい。
マーケティングプランナー 臼井 栄三
カッコ付きだが、コロナ禍が一応の収束を見せている。収束までの3年余の間に、人びとの価値観やライフスタイルは大きく変化した。消費の現場では、変化はどんなところに現われているのだろう。
顕著なのは、消費者が「所有すること」から「使用すること」に価値軸を移してきている点だろう。長い間、人びとは「モノを持つこと」を当たり前として、それを豊かさの指標のように捉えてきた。今でも車や時計、バッグ、宝飾品などの高級品を所有することで満足する人は、ある程度の割合で存在する。しかし大きなトレンドで見ると、高価なモノを所有することがステータスである時代は終わりに向かっているようだ。
所有するのではなく、必要なときに質の高いサービスを利用することが生活の豊かさにつながると考える人が増えている。とくにZ世代に代表される若い人たちは、その傾向が強い。サブスクリプションやシェアリングなどで、次々に新しい商品やサービスを利用していくライフスタイルは移り気にも感じられる。
これは、マーケティングで「リキッド(liquid=液状の、流動的な)消費」と呼ばれる消費行動だ。欲しいときに手軽にお目当ての商品を利用する、瞬間的で気まぐれな消費と言えるだろう。まるでパソコンのソフトウェアを更新するように、そのときに応じて身のまわりをアップデートしていく暮らし方は、今後ますます増えていくに違いない。社会のデジタル化もそんな流れを後押ししている。
リキッド消費は、モノ消費からコト消費への大きな変化を伝えている。所有よりも経験や体験に価値を感じる消費者。あなたのビジネスに、リキッド消費はどう影響していくだろうか。もしビジネスをリキッド消費に適合させていくなら、どんな提案ができるだろうか。消費の潮流を見つめながら、真剣に考えたい課題である。
マーケティングプランナー
臼井 栄三
オリコム札幌支社 ディレクター 石川雅美
「いくつになってもチャレンジ。」
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
というのは、有名な言葉でありますが、年齢のせいにするとそこで終了ですよ。
というのを、今更ながら実感しております。
ことの経緯は、マスク生活にありました。
仕事上でのことかは分かりませんが、以前まで日常での私は常に笑顔(かなり良く書きました)…で、あだ名を付けられるくらいだったのですが、人に会わない生活で表情がなくなっていたようです。気付いたら口角が下がっていました、自分でもびっくりするくらいに。
これはまずい!とマスクの下で口角を上げて笑顔を試みましたが、上手く出来ません。
それでも無理やり、家でもどこでも意識的に口角を上げ続けていると、恐らく生まれて初めて頬の筋肉痛を経て、元のようにニヤニヤと口角が上がるようになってきました。
そこで、年齢的に仕方がないと思っていた肌の手入れなども真面目にしてみたところ、自己満足の範囲は出ないにせよ少しはマシになってきたような気がしてきています。(多分、きっと、現実であって、お願い)
自分だけが分かる範囲の些細なこととはいえ、やれば変わる。という事実に改めて気付いたことで、年齢を理由に何となく躊躇していたことをいくつか始めてみました。
昔のように簡単にはいかず、覚えも悪くなり、何でもっと早くにやらなかったのか…と思うことは多々ありますが、前よりちょっぴりでも出来ることが増えるとやはり楽しいですね。
もちろん物理的に出来ないことも多くなり(やらない方が良いこともあったり)、簡単にいかないことも実感しています。自分のやる気次第でどうにでも転べるものだと、やらない理由を自分で作っていたことをしみじみ感じている次第です。
失敗や途中撤退など紆余曲折ありつつも、「バットは振らなきゃ当たりませんもの」という80代の方の言葉にそうだよなーと頷きながら日々過ごしております。
自分が素敵だなと思う人たちは、会う度には気づきませんが、いい意味で変わっています。
「あの人はもうあの齢だから変わることはないよ」
そう周りから言われないように、年齢を言い訳にせず、軽やかにご機嫌に過ごしていくことが目標です。
とりあえず、非常にマスクが外しにくくなったことを後悔しているので、ニヤニヤしながら口角が下がらないように生活しようと思います。
※写真は、リモートワークの癒し、子猫気分で全身入っているつもりの
我が家のおじいにゃんです。
オリコム札幌支社 ディレクター
石川雅美