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北広協ニュース

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2022.12.31北広協ニュース219号

『明日へのベクトル』
その提案は共感を得ているだろうか。
マーケティングプランナー 臼井 栄三



「いい企画だったのに通らなかった」「素晴らしい提案だったのに採用されなかった」という声を、よく耳にする。本当に提案の中身が優れていて日の目を見ないとしたら、それは「伝え方」に問題があるのかもしれない。

企画にたいへんな労力をかけ、チーム全員が納得するまで内容を詰め、提案する。プレゼンテーションの形をとることが多いが、プレゼンのやり方にまで神経が行き届いた提案になっているだろうか。

「同じ日本人、プレゼンが少しぐらい下手でもちゃんと伝わるはず」と思っていたら、大失敗する。価値観が多様な現代では、環境、年齢、社風、立場などによって、話の伝わり方は大きく違ってくる。この「違い」に目を向けたプレゼンがますます大切になっている。

プレゼンでとくに重要なのが、ペーシングだ。ペーシングとは、相手の歩調に合わせる、という意味になる。プレゼンを聞く側の立場に立って考え、相手の現在の状況やニーズ、問題意識などに沿って話を始めることが欠かせない。あなたの言うことが聞く側の人たちの感じ方や考え方と一致しているとき、あなたは相手の人たちと並んで歩いている。即ち、相手と同じ立場に立っていることになる。

ペーシングができていないと、プレゼンする側と相手とのラポート(心の通い合い)が生まれず、提案は相手に届かずに空回りしてしまう。最初に正しいペーシングでラポートが築かれれば、相手はあなたの言うことに耳を傾ける。いよいよリーディング、つまり自分が望む方向へ相手を導いていくことができるようになる。プレゼンが下手な人は、リーディングに入るのを急ぎ過ぎると言われる。

提案する場合、ぜひペーシング⇒ラポート⇒リーディングのステップを踏みながらプレゼンしてほしい。「急いては事を仕損じる」と言われる。提案の内容に共感してもらう努力を惜しんではならない。



マーケティングプランナー

臼井 栄三


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