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北広協ニュース

北広協ニュース

2024.10.01北広協ニュース230号

『明日へのベクトル(連載117)』
人間とお金の関係を、あらためて考えたい。
マーケティングプランナー 臼井 栄三



お金というものは、いろいろな性格を持っている。正確に言えば、お金に対する人間の向き合い方や受け止め方は実にさまざまだ。

当然なことだが、お金には価値がある。人はビジネスでお金を得るし、私たちの生活はお金によって維持されている。

しかし、お金によって人の行動を左右しようとすると、逆に作用することもある。お金が間に入ることによって、ねらいとは別の方向に人間が動いてしまうのだ。

例をあげよう。ある保育園で、決められた時刻までに子どもを迎えに来ない数人の保護者がいた。保育園は決められた時刻までに迎えに来てもらおうと、遅刻した保護者に罰金を科す決まりを設けた。

その結果、お迎えに遅刻する保護者が目立って増えてしまった。罰金が逆に働いたのだ。保護者は罰金を、保育時間終了後も子どもを預かってもらうための対価ととらえたのである。

罰金が導入されるまでは、保護者たちは内発的に迎えの時刻を守ろうとした。遅刻は、保護者たちの心の中に一種の罪悪感を生んでいたのだろう。それがお金に置き換わることによって、自発的に行動する意欲を失ってしまった。お金が人の意欲を削ぐこともある。

似たようなケースは、ボランティアに取り組む人にも見られる。ボランティアは誰かのために役立とうとすることがモチベーションになっている。報酬を払おうとすると、気分を害する人もいる。人間の心の中にある利他性が否定される気持ちになるのだろう。

また一方では、同じ行動でも報酬を前提とすると、人はまず損得を考えるようになる。

一筋縄ではいかない、人間とお金の関係。私たちがじっくり考えてもいいテーマだ。 



マーケティングプランナー

臼井 栄三

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株式会社創文 媒体部 部長 伊藤 三基男
「初心を思い出させてくれた斜里岳登山」



私の趣味の一つに登山があります。かれこれ今年で7年目ですが、まだまだ上級者とは言えないレベル。そんな私が初めて道東の山に挑戦しました。道東の山は札幌から距離が遠くなかなか行く機会がありませんでした。しかし、今年は例年と違い意気込みがものすごく、まず、運転時間往復8時間にも負けず日帰りで雌阿寒岳~阿寒富士の縦走登山。そして、道東の山の中では一番登りたかった斜里岳にも登ることができました。


斜里岳は、山頂までの登山道は歩くというよりかなりの回数の川の渡渉や滝の横の岩壁を登る、あるいは滝の縁を歩く等など…通常の登山より危険度が高いです。道東の山なので熊の出没にも注意が必要。当日は、前日の降雨の影響で川が増水。危険度はいつもより増しています。そんな状態にテンションが高くなる私…登山病ですね。登山口入口に入ってすぐ熊が出る雰囲気がありあり…さすが道東の山です。ひと時林道を歩いていくといよいよ川の渡渉がスタート。増水しているため、足を置きたい石も沈んでおり見える石も少なく、石があってもジャンプもしくは大マタギしないと足が届かない。そもそも石も木もなく川に足を入れていかないと渡れない。更に滝が続くポイントでは岩壁を登るのですが、斜度がきつく滑落すれば怪我をする可能性もあります。


この時の私は、目の前の川を如何にして渡ればいいのか、目の上に見える岩壁をどのようにして登っていけばいいのかだけに全集中、熊のことなど全く頭になくアドレナリン全開です。その後、ようやく山頂に到着。360度見渡せる景色の中には、遠くに海や山々、近くに見える迫力のある山容となんと素晴らしい景色、感動の一言でした。


帰宅後、斜里岳登山を振り返り思ったことは、毎日の仕事でこれほどまでに一心不乱に一つのことに全集中、全開で取り組んでいるのかという疑問。今回、斜里岳の登山をしたことは、業界に初めて入ったころの私…分からないことばかりで何事にも一生懸命、それこそ一心不乱に取り組んでいたかつて昔の日々を思い出すきっかけとなり、あらためて初心を忘れず仕事にまい進していこうと気を引き締めた私です。皆様もたくさん趣味を(機会あれば登山を)愉しんでくださいね。心身のリフレッシュだけでなく、自分を見つめなおすいい機会にもなります。「山は西からも東からでも登れる。自分が方向を変えれば、新しい道はいくらでも開ける。松下幸之助」

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