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北広協ニュース

北広協ニュース

2023.04.17北広協ニュース221号

『明日へのベクトル』
「外からの目」が、共感を呼ぶ。
マーケティングプランナー 臼井 栄三



大好きな言葉がある。When you’re not the biggest, you have to.

(最大最強でないのなら、頑張らなきゃいけないのさ。)今から60年前の、エイビスレンタカーの広告コピーの一節である。you have toの後に、try harderが省略されている。

1960年代初頭のアメリカ。レンタカー業界第2位のエイビスは、1位のハーツに大きく差をつけられていた。エイビスの従業員は精彩に欠け、サービスはお世辞にもいいとは言えなかった。

伝説になっているエイビスの広告キャンペーンは、そんな逆境からスタートした。広告会社DDBはキャンペーンを立案するために、3カ月間エイビスの社内を調査・取材したという。

「エイビスはレンタカー業界でただの2位にすぎません。エイビスに乗るなんて…」のキャッチフレーズを初めとしてとして、自社の短所も告白的に取り上げる広告シリーズは大きな反響を呼んだ。実際、エイビスで借りた車にタバコの吸い殻が多数残っていたこともコピーは伝えた。広告は、社員の意識改革にも火をつけたのだ。

「私たちは2位です。だから、もっと頑張ります(We try harder)。」“We try harder”は当時のアメリカの流行語になり、それが書かれたバッジは売れに売れたという。エイビスは2年間でシェアを28%も伸ばす。それだけこのフレーズは生活者の共感を呼んだのだ。

1960年代という経済成長期だから成し得たという指摘もできるだろう。しかし、広告会社の「外からの目」が広告主の社員を奮い立たせたのも事実である。真摯な提案は、社会的共鳴を生む。

あなたは広告主の気に入るような提案ばかりをしていないだろうか?あなたの提案は、本当に広告主そして社会のためになっているだろうか。このキャンペーンが最初に提案されたとき、エイビスの役員会では大多数がこの案に反対だったことを付け加えておこう。



マーケティングプランナー

臼井 栄三

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  株式会社えんれいしゃ コンテンツ事業局 樋口玲貴
「サロマンブルーのその先に」



皆様初めまして。株式会社えんれいしゃの樋口と申します。
当社の事業は、広告代理業のほか、出版業務、新千歳空港での店舗の企画・設計・情報発信、エンターテイメント施設の運営を行っております。わたしは、多種多様な事業体の中での出版業務に従事しております。

趣味は走ることで、北海道マラソンやサロマ湖100キロウルトラマラソン、そしてそれ以上の距離の大会に出ております。
走るきっかけとなったのは、学生時代からスポーツをやってきたのに、社会人になってからやらなくなり、肩こりからくる頭痛に悩まされました。鎮痛剤を1日20錠飲んでいたときに、お医者様から「こんなことしてたら死ぬよ。運動しなさい」と言われました。でも、水泳はめんどくさいし、球技は人数集めなくちゃできないし、手っ取り早くできるのが、ウエアとシューズさえあればできるランニングだったのです。
目標を設定しないとがんばれないため、「ハワイのホノルルマラソンに参加する」というなんともミーハーな目標を設定して、初めてのフルマラソンはホノルルマラソンを完走することができました。
「フルマラソンより長い距離の大会はないのかな?」と考えていたところ、フルマラソンより長い距離のマラソンはウルトラマラソンということも初めて知ることになりました。
地元・北海道に、伝統と歴史のあるウルトラマラソンがあるというではありませんか。それが「サロマ湖100キロウルトラマラソン」でした。
湧別町をスタートして北見市常呂がゴール。北海道遺産にも選定されている日本最大級の原生花園「サロマ湖 原生花園」もコース上にあります。
6月の最終日曜日に開催されるのですが、この時期のオホーツクの気候は年によってまるで異なり、30度以上の灼熱地獄になることもあれば、暴風雨に見舞われることもあります。
サロマ湖の抜けるような「青」のことを「サロマンブルー」と呼ぶのですが、「サロマ湖100キロウルトラマラソン」を10回完走すると「サロマンブルー」の称号が与えられ、ブルーゼッケンをつけることができます。
北海道でも酪農家を悩ませた口蹄疫。大会を開催するべきなの、やめるべきかギリギリの選択を主催者が迫られたときもありましたが、コースを変更して開催しました。そんな大会ですが、中止に迫られたことがあります。
それが「新型コロナウイルスの影響」です。
2019年の開催以来、2020・2021・2022の3年間が大会は中止になりました。
そして、今年はやっと開催されます。
わたしは2019年で10回の完走をできたので、やっとサロマンブルーの称号をいただき、2023年の大会ではブルーゼッケンをつけての出場となります。
10回は最短でも10年(20回は20年)かかります。本人が健康なことはもちろんですが、家族や仕事上でなにかあったら参加が叶いません。そのため、参加できることに感謝して、4年ぶりのオホーツク路を走ってきます。
原生花園「サロマ湖 原生花園」は6月はエゾスカシユリやハマナスが咲き誇り別名「竜宮街道」とよばれていますが、大会中は終盤の80〜95キロ地点。地獄のような場所ですが、4年ぶりに開催される大会、懐かしい場所、仲間、そして景色に会えることを楽しみに走ってきたいと思います。

株式会社えんれいしゃ コンテンツ事業局

樋口玲貴


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