『明日へのベクトル(連載128)』 サステナビリティを「自分ごと」に。 マーケティングプランナー 臼井 栄三
サステナビリティ(持続可能性)の重要性が叫ばれて久しい。そのサステナビリティに、いま人びとは地域や家庭で実際にどれだけ取り組んでいるのだろう。
企業の活動を見てみると水環境の改善に力を注いだり、バイオ燃料によってエネルギー転換を進めたりと、各企業の事業領域の中でサステナブルな社会が目指されている。気になるのは、私たち一人ひとりの生活の中でサステナビリティを意識した暮らし方があまり感じられないことだ。
そもそもサステナビリティとは、私たちが住む地球の環境や資源を守り、将来の世代もずっと幸せに暮らせる社会を作っていくために生まれた考え方だ。人権を守ることや無理のない経済活動も、それに含まれる。一部の優良企業や先進的な人たちだけがサステナブルな活動に取り組んでも、その効果は限定的だろう。できるだけ多くの人が、日常的に「サステナブルであること」を心がけた暮らしを送ることが不可欠なのだ。
広告はさまざまな生活情報を届けることによって、消費者の行動に影響を与える。人びとにサステナブルな取り組みを促すと同時に、企業にも消費者との接点でサステナビリティを意識づけるような活動を提案することもできる。
たとえば賞味期限が近い食品を購入する消費者にはポイントを優遇することで廃棄ロスを減らすことができる。また、たとえば地元で生産された商品を購入する機運を高めることで、輸送にかかるエネルギーを減らし、地域経済を元気にすることもできるだろう。
近年の夏の酷暑化や多発する水害を経験し「私たちの地球は、これから本当に大丈夫なのか?」と不安に感じる人たちが増えている。社会も地球も、サステナビリティが問われている。自分ごととしてのサステナビリティへ―。広告が果たすべき役割はとても大きい。
マーケティングプランナー
臼井 栄三